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将来の地域医療連携でのIT活用を視野に、クラウド型 電子カルテを導入
安全性を確保しつつ院内業務の生産性を向上し、患者への手厚い支援を実現

医療法人 久居病院
クラウドカルテ「blanc」

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(左から)総務課 棚橋 祐輝 氏、看護師長 中川 幸次 氏 地域医療支援センター長 鈴木 春香 氏、
 院長 棚橋 裕 氏、総務課長 川原田 直希 氏、医事係長 川端 勇希 氏

User Profile

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医療法人久居病院

所在地 三重県津市戸木町5043
設立 1965 年6 月
診療科 精神科、心療内科
U R L https://hisai-hospital.or.jp/





うつ病・認知症・統合失調症などの診療を専門とする久居病院。人が人として心身ともに健康で生活できるように治療、支援することを第一の目的としている。入院患者の早期退院を目標として、診療部門、看護部門、作業療法部門、地域連携福祉部門など、さまざまな専門職が一体となってリハビリテーションを行い、一日も早く社会復帰、社会参加が出来るよう努めている。



導入前の課題


導入後の効果


●加速する医療分野のデジタル化への対応が必要

●医療現場の作業工数が多く削減したい

●IT の利便性を享受し、病院に適したセキュリティレベルを担保したい

●クラウド型 電子カルテシステム「blanc(ブラン)」を導入し、各種システムとの連携も容易に

●紙メモを撤廃し二重入力・検索などの工数を大幅削減

●クラウド利用に適した万全のセキュリティを実装

業務効率化のため電子カルテシステムを導入

導入の経緯

 久居病院は、2014年にオーダリングシステムを導入、2016年に電子カルテシステムを導入・運用してきた。「以前は"紙カルテ"を使っていました。しかし紙カルテだと、必要なカルテがすぐに見つからなかったり、同じような情報を業務システムに再入力しなければならなかったりと、運用が煩雑になっていました。現場のスタッフは多くの業務がある上、患者様に寄り添った支援をしなければなりません。そのためにはカルテ関連の業務を効率化する必要があると判断し、電子カルテシステムの導入を決めました」と語るのは院長の棚橋裕氏。
 久居病院が導入した電子カルテシステム「Psyche(プシュケ)」は、精神科医療に特化した機能を備えたWeb型電子カルテシステム。さまざまなマスタ設定が用意されており、これを変えることで現場の要望に柔軟に応えられる自由度の高い電子カルテシステムとなっている。「電子カルテシステムですから、テンプレートを使えば同じような作業を繰り返さずに使えます。簡単に過去のデータを確認することができるため、何かあったときの対処や引き継ぎ作業なども迅速に処理できるようになりました。工数が半分程度に減った感覚です。もう紙カルテには戻れません」と看護師長の中川幸次氏は言う。
 同院にとって「Psyche」はなくてはならないシステムとなったが、導入から7年が過ぎ、システムのリプレースを検討する必要が生じた。


電子カルテシステムのリプレースでblanc(ブラン)を選定

導入のプロセス

「Psycheの保守満了があり、別の電子カルテシステムを選定する必要がありました。しかし、電子カルテシステムはオンプレミスのシステムが多く、ベンダーの独自仕様などが障壁となり、データ移行や他システムとの連携が容易ではありません。そこで当院では、パブリッククラウドであるMicrosoft Azureを使った"blanc"を採用しました」と総務課長の川原田直希氏は話す。
 blancとは、カルテ・オーダリング・看護機能などを統合したクラウド型の電子カルテシステム。医事会計システムや検査、画像システムなど、他システムとの連携を行い、病院情報システム基盤を構築することができる。
 パブリッククラウド基盤を採用することで、サーバーの障害対応などのシステム運用負荷を大幅に軽減。さらにMicrosoft Azureは、国内企業向けに東日本リージョン、西日本リージョンといった2拠点が用意されており、それぞれでインスタンスを立てれば、システム障害などに備える冗長構成も可能だ。そのため、災害対策や事業継続という面でもメリットが大きい。
 もう1点、同院にとって魅力だったのが、クラウド版blancはオンプレミス版Psycheの後継であり、精神科に特化した唯一のクラウド型電子カルテシステムということ。使いこなすための教育コストがかからず、データの移行も問題ない。電子カルテシステムを変更すると過去のカルテ情報を移行できないケースもあるが、Psycheからblancであれば全てのデータを完全に移行できる。


クラウド型で生産性や工数削減まで実現、万全のセキュリティを実装

導入の効果

 こうして、久居病院には『blanc』による新しい電子カルテシステムが導入された。「Psycheでも患者の一覧画面を見ることができましたが、blancでは、画面が見やすくなり、これまでよりも使いやすくなりました。さまざまな機能がブラッシュアップされており、情報確認や共有のスピードが上がったと感じています」(地域医療支援センター長の鈴木春香氏)

 このblancの導入や電子カルテシステムの移行を実施したのはJBCCだ。「JBCCは、当院を含め多くの電子カルテシステムを構築しており、技術面と業界の知見があるベンダーです。両方の知見があるからこそ、安心してシステムを任せることができました」(棚橋院長)

 新しい電子カルテシステムは、医療会計システムと連携したため、「データ」を軸に部署を超えた業務プロセスが再構築。その結果、さまざまな業務が効率化され、これまで以上に患者により沿った医療サービスを提供できるようになった。

 また、運用面でのメリットも出ている。「これまではサーバーを10台ほど運用していましたが、今はクラウドに障害が起きているときにアクセスするバックアップサーバー1台のみ。障害のリスクも大幅に減り、事業継続という点でも非常に安心できる構成になりました」(総務課の棚橋祐輝氏)

 さらに、JBCCの提案により、クラウド型電子カルテシステムを安全に運用するためのセキュリティ対策を実施。サイバー攻撃の先手を打つゲートウェイ対策として知られる次世代ファイアウォール月額サービスと、次世代型ウイルス対策ソフトマネージドサービス for EDR Plus、IT資産運用ツールを導入・構築した。

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 セキュリティ対策のカギを握る次世代ファイアウォールは、アプリケーションを制御し、情報漏えいなどを起こすアプリケーションやサービスの通信を排除する一方、電子カルテや情報のやりとりなど必要に応じて通信を許可するため、セキュリティと利便性を両立できるソリューションとなる。

 ファイアウォールや従来型ウイルス対策ソフトでは防ぎきれない脅威に対してはマネージドサービス for EDR Plusを使い、端末のセキュリティを確保する。マネージドサービスをご利用いただくことにより、セキュリティレベルを最適な状態に維持が可能となる。

「これまでオンプレミスのシステムだったので、アクセスできる端末を制限することでセキュリティを担保してきました。しかし、今後を見据えると電子カルテシステムをクラウド型に移行する必要があります。そこで、IT資産運用とクラウド利用に適した情報漏えい対策を含んだ広範囲なセキュリティを確保し、医療システムを安全に使えるようにしています」(医事係長の川端勇希氏)


地域医療連携でのIT活用など医療サービスの向上へ期待がかかる

今後の展望

 新しい電子カルテシステムを導入・構築したことで、さまざまなアプリケーション/サービスと連携できるようになり、電子カルテの使用用途の拡大や業務効率化も可能となる。

「これまでは当院の効率化や生産性を向上するために電子カルテシステムを導入・運用してきました。今回、新しい電子カルテシステムを導入したことで、さらなる地域との連携や、訪問看護、遠隔診療などの取り組みも可能になります。医療サービスを更に向上することができると期待しています」(川原田氏)

 クラウド型の電子カルテサービス「blanc」にリプレースしセキュリティを強化したことで、データをもとに未来を予測して、安全に医療サービスを提供できる基盤が整った。パーソナル・ヘルス・レコードへの対応や病院・介護施設・薬局間での情報連携の加速など、医療サービスの変化にも柔軟に対応することができるだろう。

「政府はクラウドによる連携などを志向していますが、この地域ではまだそこまでは至っていません。しかし5年後、10年度を見据えたときに、デジタルの利活用は避けることができません。今回は、クラウドを活用しつつ、セキュリティを確保したことで、その土壌を整えました」(棚橋院長)

 電子カルテシステムの導入や運用・管理に課題を持つ病院は少なくない。クラウド型 電子カルテシステムを導入したことで、患者に寄り添った治療を実現している久居病院の事例は参考になる部分が多く、業界も注目をしている。





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