院 長 佐藤 克哉 氏(写真中) 事務長 山田 正俊 氏(写真右) 薬剤師 佐藤 友里名 氏(写真左) |
User Profile |
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猿払村国民健康保険病院 |
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所在地 | 北海道宗谷郡 |
設立 | 1966年3月 |
診療科 |
月に1回眼科診療 |
U R L | http://www.sarufutuhp.com/ |
日本最北に位置する猿払村は、広大な地域に住民が点在しており通院が困難になっていることが課題となっています。猿払村国民健康保険病院様は、訪問診療の強化や地域医療の発展を見据え、クラウドカルテ「blanc」(ブラン)を導入しました。blancの導入によって、どのような効果があったのか、今後どのように活用していこうとしているのか、院長の佐藤 克哉氏、事務長の山田 正俊氏、薬剤師の佐藤 友里名氏にお話を伺いました。
導入前の課題 |
導入後の効果 |
●医師の外出中は外来や入院患者への処方指示ができず帰院後対応 ●処方箋発行業務で、医師指示後に事務員の入力作業が発生し非効率 |
●外出先からのカルテ参照が可能になり、患者への迅速な対応が実現 ●処方オーダーからの処方箋自動発行により、各部門での入力や確認の負荷を解消 |
― 貴院の概要、特色についてお聞かせください。
佐藤: 猿払村の総面積は590 ㎢と北海道で一番大きな村ですが、人口はわずか2700 人ほどです。広大な地域に住民が点在しているため、通院するのが難しい人が多いのが地域の課題です。そのため当院では訪問診察に力を入れています。まだ始めたばかりで一部の地域に限られていますが、少しずつ範囲を広げていきたいと考えています。
― 今回blanc を導入いただきましたが、貴院ではどのような課題があったのでしょうか。
佐藤: 紙のカルテで運用していたので、業務効率が悪いという問題がありました。医師が手書きした処方箋を事務員が入力し直し、発行した処方箋が薬局に渡ります。事務員の入力ミスがあると、薬局でどの薬を処方したらよいかわからなくなり、事務に問い合わせが発生するため、ミスを修正するのが大変でした。
佐藤(友): 先生の手書きの文字が判読できないという問題もあります(笑)。そのため薬局側としては、まず先生の手書きの処方箋と事務が入力した処方箋を見比べることから始めなければなりません。その上で不足している情報を薬局で補足したり、疑義照会をしたり、といったことが頻繁にあり、非常に手間がかかっていました。
佐藤: 医師の働き方改革も大きなテーマです。医師は2 名体制のため、出張中や訪問診療時、自宅にいる時に点滴の処方や、ちょっとした頭痛薬などでも何かあれば指示を出すために病院に戻らなければならず、重い負担になっていました。
― ソリューションを選定する上でこだわったポイントについてお聞かせください。
佐藤: クラウドサービスであることは絶対条件でした。病院が被災しても診療が継続できる環境が必要だったからです。またクラウドサービスであれば、医師が外出先でカルテの情報を確認できるため、迅速に指示を出せるようになります。訪問診療の際も薬の処方までの流れがスムーズになるという期待がありました。
― blanc を知ったのは、どのようなことがきっかけだったのでしょうか。他の製品も検討されましたか。
佐藤: クラウド型の電子カルテでコストを抑えられる製品を探していた際に、blanc をJBCCで取り扱っていることを知りました。同様の条件に該当する他社の製品も2 つほど検討しました。
― その中でblanc を選択した決め手についてお聞かせください。
佐藤: 直感的に操作できることが最大の理由です。カルテを入力する際も、次にどのような操作をすればよいかがすぐにわかります。またクラウド型サーバーのMicrosoft Azure は、国内企業向けに東日本と西日本に環境があり、例えば東日本で被災しても西日本の環境に切り替えられ、システム障害や災害対策に備えられる点も評価しました。
― JBCCの提案内容はいかがでしたか。
佐藤:JBCCの営業さんは第一印象で人柄の良さがわかりました(笑)
blanc の機能についても熟知しており、できること、できないことを明確に説明してもらえたため、判断がしやすかったです。
― 導入するまでには、ご苦労があったのではないでしょうか。
佐藤: やはりマスタの整備は大変でした。今まで省略していた情報についても正確に定義しなければなりません。また、blanc にはたくさんの機能がありますが、診療の流れの中でどの機能を使っていくかを検討するのに時間がかかりました。最初からある程度決めていたものの、実際に具体化してくると変更しなければならないことも多かったです。
私よりもサポートしてくれたJBCCのSE さんが大変だったと思いますが、親身になって対応してもらえました。また無理なことは無理だとはっきり言ってくれたので、スムーズに進めることができました。
― 職員の皆様は、どのような感想をお持ちでしょうか。
佐藤: 電子カルテを使ったことがない人がほとんどだったので、導入して最初の1 週間は大混乱でした。「電子カルテなんて使いたくない」という声もあったのですが、使ううちに慣れてきた人が出てきて、部署の中で教え合いながら運用していくことができるようになりました。今では各担当者が細かな問題を見つけて、話し合って解決方法を考える流れができています。
― blanc を導入してどのような効果がありましたか。
佐藤: 医師が手書きした処方箋を事務員が入力し直すというプロセスがなくなったので、業務効率が大幅に向上しました。またクラウドサービスを選択したことで※外出先や自宅でもカルテを参照できるようになり、医師の負担が軽くなっただけではなく、対応もスピードアップできています。今までは看護師が申し送りをするために紙のカルテを持ったままになっているために、医師が指示を出せないということが多々あったのですが、今ではその問題も解消されています。
※外出先での電子カルテへのアクセスはセキュリティと個人情報の取り扱いに配慮して行われております。
佐藤(友): 薬局は非常に楽になりましたね。先生の手書きの処方箋と事務の入力した処方箋を見比べる作業が完全に不要になりました。また先生が電子カルテに入力した時点で必要な項目が網羅されるため、問い合わせや疑義照会の作業も大幅に削減できました。
― 思ってもみなかった効果はありますか。
佐藤: 現時点で何人の患者さんが待っているのかがすぐにわかるのは、想像したよりも便利です。待ち人数が少なければ患者さんと雑談も含めて色々な話をする、そうでなければ診療のスピードを優先する、といったことが判断できるようになりました。
― 今後取り組んでいきたいことはありますか。
佐藤: 宗谷地域全体で他の病院や介護施設と連携するために、電子カルテをどう役立てていくかは地域医療の大きな課題です。連携するには電子カルテの情報を充実させなければなりませんし、個人情報をどこまで連携するべきか、しっかりと検討する必要があります。今回blanc を導入したことで、保健・医療・福祉が連携する地域医療の第一歩を踏み出せたと考えています。
― JBCCに期待することをお聞かせください。
佐藤: 他の病院に勤務していた時に他社の電子カルテを使用していたことがありますが、その時と比べてJBCCのサポートはきめ細やかで、助かっています。現在明らかになっている課題についてシステムで全て対応できないかもしれませんが、地域医療を発展させていきたいので、ご協力いただければと思います。
― 今回いただいたご要望に対応できるよう、尽力していきたいと考えています。本日は貴重なお話をありがとうございました。
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