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BCP対策に最適な電子カルテは?

2019.03.29

BCP対策にはクラウド型電子カルテがよい?


電子カルテの利用形態には、院内にサーバーを配置するオンプレミス型と、外部のデータセンターを

利用するクラウド型が存在します。


BCP対策を実現するためにクラウド型電子カルテを採用しようかと思う、といったお話も聞きますが、
本当にそうなのでしょうか?


上記を考えるうえで、一先ずオンプレミス型とクラウド型のメリット・デメリットを整理してみたいと
思います。



オンプレミス型とクラウド型のメリット・デメリットは?


オンプレミス型とクラウド型のメリット・デメリットについて、いろいろとあるとは思いますが、
整理すると下記のようなところでしょうか。


<オンプレミス型>
【メリット】
 ・患者情報の所在が明確(院内のサーバーにあり)
 ・インターネットのトラブルに影響を受けない(インターネットにつながる必要はない)

【デメリット】
 ・クラウド型に比べシステム導入初期費用が高価
 ・サーバ等のハードウェアメンテナンスの考慮が必要になる


<クラウド型>
【メリット】
 ・オンプレミス型に比べシステム導入初期費用が安価
 ・サーバ等のハードウェアメンテナンスの考慮が必要ない

【デメリット】
 ・患者情報の所在が不明確(日本国内のどこかにある)
 ・インターネットを利用できることが大前提(インターネットのトラブル時は利用できない)


これだけ見ても、それぞれ一長一短があることをわかっていただけると思います。


導入費用面やシステムのメンテナンスのしやすさに魅力を感じ、また、他地域でデータを保管
できることの安心感でクラウド型を選びたくなる気持ちはわかりますが、本当にそれだけで
よいのでしょうか。


クラウド型電子カルテを採用した場合、「インターネットが利用できること」が利用の大前提
になることを忘れてはいけません。



北海道胆振東部地震が発生


2018年9月に発生した北海道胆振東部地震も記憶に新しいことと思います。

北海道厚真町で震度7を観測、この地震の影響で震源近くの苫東厚真発電所が停止し、送電線
故障に伴う水力発電所の停止も重なって北海道内全域で停電(ブラックアウト)となりました。


被災したとある病院ではクラウド型電子カルテを利用していましたが、この地震の影響で
インターネット回線基地局にも電気が供給できずにインターネットが利用できない状況となり、
クラウド型電子カルテも利用できない状況に陥ったとのことです。


また、クラウドの場合、患者情報がどこにあるかわからないということは、病院施設自体は
無事であっても、データセンターが被災することで、被災したデータセンターを利用している
クラウド型電子カルテは利用できなくなる可能性があります。



BCP対策の実現に向けて十分な検討を


では、上述のようなケースも起こりうることを想定したBCP対策にはどのような対策が考えられる
でしょうか。


例えば、オンプレミス型を選ぶのであれば、電子カルテのバックアップをクラウド上に取得しておき、
何かあった際にはクラウド上のバックアップよりデータを復元する構成もひとつの手です。


また、クラウド型であれば、院内に稼働用とは別の電子カルテサーバーを設置し、常に現在稼働している電子カルテのデータをコピーしておき、有事には参照できるようにしておくことも対策となります。


上記は一例になりますが、どちらのシステム形態を選ぶにしても、それぞれメリットとデメリットが
あることを十分理解いただき、様々なシナリオを想定したうえでシステムの検討を行うとよいと思います。

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