電子カルテ導入後のお客様から、システムのカスタマイズのご要望を頂く事があります。
その理由はお客様によって様々ですが、ご意見に耳を傾けると「電子カルテを導入してみたら、このような機能に変えたい」という声をお聞きします。
システムですので、内容によっては費用をかければカスタマイズ可能かもしれませんが、本当にそれだけで問題は解決するのでしょうか?
院内コミュニケーション
病院の診療業務は多種多様にわたる職種の方が、綿密に連携することによって成り立っております。
電子カルテはその様々な機能によって、診療業務と運用を効率的にサポートするツールですが、すべての業務を自動化するような魔法のツールではありません。
大抵の病院は、医師、看護師、コメディカル、事務(医療事務)と大きく分けて4つの職種があり、電子カルテを利用する上では、職種間のコミュニケーションがいっそう重要となります。
たとえば、医師が電子カルテで急ぎのオーダーを出しても、受ける側がその画面を見なければ連携は成り立ちません。緊急の場合には、内線電話を1本入れるなどの配慮が必要となります。
これは当たり前のことのように思えますが、電子カルテを導入すると、本来あるべき事を忘れがちになる場合があります。
運用を見直してみませんか?
先に述べましたとおり、電子カルテは診療業務をサポートする道具に過ぎません。
診療業務の基本は人と人とのコミュニケーションとルールによって成り立っています。
「使いにくい」「使えない」と感じた場合には、現在の運用を見直してみてはいかがでしょうか。
システム化ありきで、本来のコミュニケーションや運用を犠牲にしていないでしょうか。
オーダーの締め切り時間や、緊急時や変更・中止時の運用やルールに無理はないでしょうか。
もしかしたら、ちょっとした見直しで、「使いやすい」道具に変わるかもしれません。
パッケージ型の電子カルテ
現在の電子カルテシステムの多くは、導入実績で蓄積されたノウハウを病院様ごとの運用に適応させる、パッケージ型のシステムとなっており、簡単な設定変更などにより、おおよその運用には対応できるように設計されています。
たとえば弊社のWEB電子カルテですと、院内コミュニケーション用の業務連絡や申し送り事項、未読検査の通知を患者カルテ起動時にポップアップさせることも、カスタマイズなしで実現できます。
この機能だけでも、職員間の意思伝達が改善されたり、運用ルールの定義化などに役立ったりしています。
電子カルテシステムを便利に有効にお使い頂くためには、院内に各職種の意見交換の場を設けたり、ユーザー会などをとおしての情報収集や、ほかの病院の運用事例を参考にするのも良いでしょう。
電子カルテの有効活用によって、医療の質の向上を目指すことができると思います。
そのためにも、定期的な運用検討と見直しの機会を設けることをお勧めいたします。