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忙しい医療現場を効率化!電子カルテ導入のメリット・デメリットとは?

2022.04.28

医療現場でも人材不足などの観点からIT化が進んでいます。その中でも、特に現場の効率化に効果的とされているのが「電子カルテ」です。本記事では、電子カルテの基本情報やメリット・デメリット、実際の導入事例をもとに、導入の流れなどをご紹介します。



電子カルテとは


電子カルテとは、コンピュータを利用して記入や保存ができるカルテです。カルテは医師が記録した診療内容や所見が記載されているものを指しますが、電子カルテの場合は会計システムなどと連動していることもあり、これらを含めて「電子カルテシステム」と呼ばれることもあります。

カルテはもともと紙での記入や保存がされてきましたが、平成11年に電子記録として保存されることが認められ、それから普及が進んできました。ただしカルテは法律によって保存が定められている重要な書類であることから、一定の基準を満たしている必要があります。


厚生労働省が発表している「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」では、その基準として「電子カルテの保存三原則」を定義しています。それによると、


真正性:内容の改ざんや消去を防止し、責任者を明らかにする

見読性:肉眼で読むことができ、いつでも提示できる

保存性:適切なセキュリティを施し、保存期間内の保存・復元ができる


上記3つが必要とされています。



電子カルテの普及率や現状はどうなのか


先述したように、電子カルテは平成11年に法整備が行われてから、徐々に普及してきました。厚生労働省の「医療施設調査」によると、平成29年の電子カルテ普及率は、一般病院が46.7%、一般診療所が41.6%です。病院を病床規模別に見ると、400床以上の病院が85.4%、200~399床が64.9%、200床未満が37.0%と、大きな病院であるほど普及率が高いのが分かります。


一方で、小さな病院や診療所では電子カルテの普及率は40%程度にとどまっており、あまり普及していません。厚生労働省では、2020年に電子カルテの普及率を90%にする目標を掲げていましたが、実現できずに終わっています。これは、紙のカルテに慣れていることや、小規模な病院・診療所は患者の数が少なく、電子化をしなくても不便に感じないこと、高額のコストが掛かること、IT知識を有する人材がいないことなどが原因として挙げられます。

電子カルテの導入や普及には、こうした課題をクリアする必要があるでしょう。



電子カルテの種類


電子カルテにはさまざまな種類があり、また適した電子カルテも医療機関によって違います。自院の規模や診療科、人材、システムの運用方法などを考慮して、自院にあった電子カルテを選びましょう。医療機関の規模の観点からすると一般的には、下記の表のようなシステムが採用されています。



 医療機関の規模 価格 機能設備運用
 クリニック 外来のみ クラウドサービス・オンプレミス 
 中小規模病院 外来・入院 クラウドサービス・オンプレミス 
 大規模病院 外来・入院・専門分野  オンプレミス



●クリニック向けの電子カルテ

クリニック向けの電子カルテには、比較的低価格で行えるクラウドサービスが多くあります。クラウドサービスとは、インターネットを通じて、すでに完成されているシステムを利用するものです。保存や管理は、クラウドサービス提供会社が提供するクラウド上のサーバーで行います。
クラウドサービスは、初期費用や月額利用料が掛かりますが、比較的安価で中には無料で利用できるものもあります。外来のみのクリニックであれば、外来に対応できる電子カルテのサービスだけで対応可能です。


もし自院にあわせたシステムにしたい場合は、オンプレミスも検討しましょう。

オンプレミスは、自社のサーバーにカスタムしたシステムを作る方法です。
ただしオンプレミスは初期費用が高額なため、慎重に検討する必要があります。



●中小規模病院向けの電子カルテ

中小規模病院も、今後はクラウドサービスがおすすめです。先述したように、クラウドサービスは初期費用を抑えることができるため、中小規模の病院でも導入しやすいというメリットがあります。また、サーバーを院内に置く必要がないためメンテナンスの手間もなく、電子カルテのアップデートもサービス提供会社がクラウド上で実施するため、IT要員の少ない中小病院でも導入・運用していくことが可能になります。
まだ連携できるサービスは少ないのが現状ではありますが、将来的に診療データの活用や、AIを使った診療補助などを検討している場合、クラウドサービスを選択している方が安価かつ容易に連携を実現できる可能性は高いと思われます。
一方で、クラウドサービスと連携できない独自のシステムがあったり、システムを院内に保有したいという考えがある場合には、オンプレミスを選択するのがよいでしょう。



●大規模病院向けの電子カルテ

大規模病院向けの電子カルテは、オンプレミスが中心となります。特に専門分野を扱う病院の場合は、一般的に提供されているクラウドサービスでは対応できないことがあるため、独自のシステムが必要です。カスタマイズ性の高いオンプレミスで対応しましょう。
オンプレミスは導入時のカスタマイズはもちろんのこと、その後もアップデートや保守に多額の資金が掛かります。高額な費用の捻出は、資金力がある大規模病院だからできることと言えます。



電子カルテのメリット


ここからは電子カルテのメリットを5つご紹介します。


情報共有がスムーズになる

紙カルテとの大きな違いのひとつは、情報共有が容易に行えることです。ネットワークの接続環境さえあれば、院内はもとより往診時もPCやタブレットからリアルタイムで情報を共有・閲覧できるため、診療記録のすばやい伝達が可能になります。「紙カルテが不在で作業が停滞する」といった不便さを解消し、多職種との連携がスムーズになり、チーム医療を推進します。


また、電子カルテは疾病や症状ごとなど、決まったテンプレートに記録することができるため診療記録の標準化が図れます。さらに、手書き文字ならではの読みにくさがないため、情報理解の誤りを防ぐことにもつながります。カルテの記載にあたっては、誰がいつ変更したのかといった履歴を残すことが義務付けられています。あとからの書き足しやページを抜くといった改ざんができないため、紙カルテと比較すると情報の信頼性が高いと言えます。


診療業務の効率化が加速する

電子カルテの導入により、患者対応もスピードアップします。紹介状や診断書など各種書類のテンプレートも用意しているため、医師の書類作成の手間を簡略化できます。また、カルテ画面を見せながら診察することで説明の丁寧さが増し、患者さんとのコミュニケーションも円滑になります。事務作業を効率化することで、患者さんの対応に時間を割くことができます。


医師のみならず、病院業務に携わる他職種でも業務工数が削減されるので、従来よりも多くの患者さんに対応することができます。たとえば、受付業務の負担軽減です。紙カルテのように、カルテ出しに時間が掛からないので、受付や会計の事務作業を減らせます。こうした院内業務全体の効率化は、患者さんの待ち時間短縮にもつながることから、患者満足度の向上も期待できます。


デジタル化による管理の正確性が向上する

電子カルテは検索性に優れているため、過去の診療記録や検査結果、画像情報を簡単に参照できます。データベースで管理していることから、キーワードで瞬時に知りたい情報を正確に絞り込めるため検索時間を大幅に短縮する事が可能です。CR画像や検査結果などの情報も一元管理されるので、電子カルテを院内情報管理の中心に据えることができます。


また、外部にバックアップデータの保管も可能です。データを二重化できるため紛失リスクの低減、災害対策にもつながると言えます。さらに、ペーパーレスにより物理的な観点からも、カルテ棚が不要になるなど保存も容易になります。長期間・大容量保存に必要な収納スペースをなくすことができるので、管理効率もアップします。


医療の安全・質を高める

紙カルテは、ヒューマンエラーによる記載ミスが起こりやすい管理ツールです。それに対し、電子カルテは診療の計画・指示内容・実施内容・投薬情報などが分かりやすく表示されるため、医療業務を安全に運用することができます。


また、薬の処方オーダーでは、薬品選択や薬効検索などから入力できるため、転記ミスや書き間違いを回避できます。投薬についても、用法・用量の規定値が表示されるため入力ミスを防げます。その他にも、アレルギーや併用禁忌などのチェック機能など、電子ならではの高い有用性を兼ね備えていることから、安全対策のレベルを高めることができます。インシデントの管理はもとより、安全面の教育・啓蒙にも役立ちます。


さらに、電子カルテのデータを医療AIと連動させることも可能です。たとえばバイタルデータをAI連携すれば、異常値レベルに合わせて全患者のスコアが表示され、緊急レベル順にソートをかけるといったこともできるようになります。職員のスキルに依存せず、データの有効活用で重症化を予防することができるため、より患者本位の医療の実践につながります。


分院設立時や他の医療機関、行政との情報共有に有利

各部門との情報共有や連携が強化できるのは、紙カルテに比べて電子カルテが優位な理由のひとつです。たとえば、分院設立時にカルテ情報共有の手間を大幅に削減することができます。紙カルテを移動させるとなると大きな手間が掛かり、カルテの保管場所をつくるにもコストが必要になります。そうした負荷を鑑みても、病院間でカルテ情報を容易に共有できる電子カルテはベストな選択と言えます。


また、地域の医療機関、介護の人材が連携し合う地域包括ケアシステムの構築にあたっても、データベースの管理によって情報共有を簡易に実現します。さらに、他の医療機関や国、自治体とのデータ共有・活用により、質の高い医療を提供する可能性を広げることができます。



電子カルテのデメリット


多くのメリットがある一方で、電子カルテにはデメリットも存在します。


初期投資やランニングコストがかかる

電子カルテのデメリットとして、まず考えられるのは導入コストです。初期費用をはじめ維持費、サーバー更新料など定期的なランニングコストが掛かるため、固定費が増大します。少なからず病院経営に影響を及ぼすため、業務効率を見える化させるなど、費用対効果の見定めが必要になります。


セキュリティリスクへの対策が必要になる

情報の閲覧がしやすいことにより、紙カルテに比べるとデータ流出など情報漏えいのリスクが若干上がります。院内のどこからでも一元管理された患者さんの情報を確認できることから、スタッフは自分の業務に関連しない情報であっても、職種をまたいで知ることが可能です。また、サイバー攻撃や不正アクセスの懸念もあります。漏えいを防止するためのセキュリティ対策は必須であると言えます。


医療者・職員に一定のPCスキルが必要になる

「アナログ管理に慣れている」「PCスキルが充分ではない」など職員のITリテラシーによって、教育や研修が必要な場合があります。もしスキルの習得が困難だったり、電子カルテの管理に拒否反応があったりすると、離職につながってしまう可能性も考えられます。また、慣れるまでは、入力を手間に感じることもあります。しかし、逆にITリテラシーが高く効率を重視する若手の採用時には、電子カルテの導入が有利に働くことも考えられます。


システム管理の人材が必要になる

本来業務とは別に、電子カルテシステムを管理する業務が発生します。システムの操作や運用にまつわる工数の増加を現状の職員でカバーできないとなると、職員を新たに採用することも念頭に置かなくてはいけません。「職員に任せる」「業者を通して常駐者に委託する」など選択肢はありますが、いずれにしても固定費は増加するため、効果の見極めが必要です。


コミュニケーション不足誘発の原因になりかねない

メリットのひとつに挙げた「情報共有がスムーズになる」と相反するようですが、システムへの依存度が高くなればなるほど、院内のコミュニケーション不足につながる可能性が高まります。あいまいな運用に終始してしまうと、口頭指示との使い分けが負担につながることも考えられます。人的コミュニケーション不足を回避するために、導入に際しては予めガイドラインの制作や全体研修が必要な場合もあります。



導入までの流れ


電子カルテを導入する場合どのような流れで進むのか、また医療機関は導入までにどのような準備をすれば良いのか。ここからはJBCCの導入ケースをもとにして、簡単な流れをご紹介します。


まずは、JBCCから各職種へ聞き取りが行われ、現行の業務フローを把握を行います。次に、JBCCは聞き取った業務フローに適したシステム設定を行います。また、病院職員は現在使用している書類や伝票を基にテンプレートや書式を設定していきます。システムの設定が終わったら、操作研修を実施します。このとき、病院側には各部門のリーダーに研修に参加してもらい、操作方法などを各部門で共有していただきます。稼働前には稼働判定のため休診日等を利用して実際に電子カルテを使って業務を一通り実施する「リハーサル」を行い、最終的な課題の洗い出しを行います。


課題を解決し、本稼働しても問題ないと双方が判断したら、いよいよ本稼働です。本稼働からしばらくはJBCCもサポートに入りますが、サポートは徐々に減らしていきます。およそ1ヶ月で、医療機関のみの対応が可能になる見込みです。


より詳しい内容や医療機関側の準備については、下記をご覧ください。



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電子カルテ新規導入の流れと必要な準備とは

電子カルテを新規導入する場合、どのような流れで導入を進めていくのか、また、病院側に必要になる準備にはどういったものがあるのか、弊社の導入ケースをご紹介します。





電子カルテの導入事例


ここからは、実際に電子カルテを導入したお客様の事例をひとつ、ご紹介します。


医療法人久居病院は、三重県津市にあり精神科・心療内科を専門とする病院です。精神科や心療内科では、何よりも患者さんの支援が大切になるため、スタッフが本来の仕事に集中できるように作業の効率化を考えていました。


そこで、2016年から精神科に特化したオンプレミスの電子カルテシステム「Psyche」を採用してきましたが、システム更新のタイミングで「Psyche」の後継であるクラウドカルテ「blanc」へ移行しました。カルテ端末のインターネット接続に伴い、最適なセキュリティの構築を行い、安全と利便性を両立できるようになりました。


現状の課題の解決はもちろん、今後の流れを見据えた導入が、医療サービスのさらなる向上につながると期待されているようです。


より詳しい内容は、下記をご覧ください。



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将来の地域医療連携でのIT活用を視野に、クラウド型 電子カルテを導入
安全性を確保しつつ院内業務の生産性を向上し、患者への手厚い支援を実現。

医療法人 久居病院 クラウドカルテ「blanc」導入事例





まとめ


業務の効率化、地域連携、診療データの解析などが期待できる電子カルテは、今後も普及が進むでしょう。

JBCCでは、電子カルテシステムと共に、最適なセキュリティや業務効率化のご提案を行い、医療機関様のDXの推進に伴走いたします。

ITに関してお悩みのことがありましたら、お気軽にご相談ください。




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